In Deep Space

PC向けにリリースされているMMOスペースシム"Star Citizen"を語るブログです。

Star Citizenは見果てぬ夢か?|In Deep Space

Star Citizen見果てぬ夢か?

 

 


Imagine: Star Citizen

Star Citizenを知っているだろうか。
クラウドファンディングで最もお金を集めたビデオゲームとして、そして$27,000という高額な課金パッケージが登場したとして日本のゲームメディアにも取り上げられたので、名前くらいは知っているという人はいるかもしれない。
だが、日本ではほとんど無名と言っていいだろうと思う。
日本語情報は少なく、英語サイトで情報を集めないといけない。
英語が苦手な人が多いと思われる日本人の一助となれるよう紹介してみたいと思う。
とても長いが、最後まで読むとStar Citizenの現状が分かるはずだ。

 

1. Star Citizenとはどのようなゲームなのか

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Star CitizenはかつてWing Commanderシリーズを手掛けたChris Robertsの最新作であり、スペースシム(スペースコンバットシム)だ。64bit版Windowsのみのリリースであり、コンソール機やモバイルはターゲットにされていない。
開発会社はCloud Imperium Games(以下CIG)、Chirs RobertsがStar Citizen開発の為に立ち上げた会社である。
スペースシムとは今風に言えば、宇宙を舞台にしたオープンワールドサンドボックスゲームと言えばいいだろうか。
宇宙を舞台に、異星人や海賊と戦闘をしたり、金を稼ぐために交易をしたり、未知なる星系を探検をしてみたりというようなゲームである。
ジャンル自体が日本ではドマイナーな代物だが、欧米を中心とする海外では根強い人気がありコアなファンがいる。
有名なところでは、ドイツのEgosoft制作のX-Universe、イギリスのFrontier Developments制作のElite:Dangerousなどの名が上がるだろう。アイスランドのCCP Games制作のEVE ONLINEもその範疇に入るかもしれない。

 

スペースシム + FPS + MMOG = Star Citizen

まず他のゲームとは違うStar Citizenならではの特徴しては、プレイヤーはFPSのように一人の人間としてプレイし操作できることがあげられる。
他のスペースシムでは、プレイヤー=艦船という場合が多くキャラクターを作成できる場合も、船の中を移動したりはまずできない。
Star Citzenでは、プレイヤーは内部まで作りこまれた船の中を移動し、有人タレットに乗って実際に操作したり、貨物室に積んだ貨物を眺めたりできる。
宇宙船を動かすのも、宇宙ステーションからエアロックを通って操縦席へシームレスに移動し、各種システムを起動するという形だ。
これが面倒だという意見もあるだろうが、雰囲気はにいい。

複数人で操作をする前提の大型のマルチクルーシップもある。
中には400mを超えるサイズの超大型船もあり、複数が開発中だ。
150mサイズの船はすでに実装されているものもある。
もちろん、これらの船も内部は作りこまれる予定だ。

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衛星DaymarにあるMining Post

宇宙から、惑星、衛星へシームレスに移動に移動できることも特徴の一つだ。 
PUに接続する際の最初のローディング以外ローディングは基本的にはない。
着陸後にキャラクターを操作して降り立ったり、貨物室に積んできた車両に乗り地上を走ったりもできる。 


Star Citizen: Procedural Planets v2

このデモに出てくるワームは実際のゲームにはまだ出てこない (いわゆるPV詐欺)。CIGとしては将来的にいつか出せたらいいなくらいである。

他にもMMORPGのようにマルチプレイヤー対応となっている。
他のプレイヤーと一緒にミッションを行ったり、戦闘したりということが可能だ。

 

2. Star Citizenをプレイするには?

Star Citizen Starter Packを購入することで、プレイすることが可能だ。
各スターターパックには、すぐ飛行可能な船が1隻と現在プレイできる全てのゲームモジュールが含まれている。

しかし、まあ待て。慌てないで一休みだ。
急がず、このエントリーを最後まで読んだあとでも遅くないぞ。

どうしても先を急ぎたいという人には、購入方法を解説してあるので一読をおすすめする。

 

3. 現在、体験できることは?

現在のStar Citizenの開発状況はαテストバージョンであり、まだ未完成である。
プレイするのも購入ではなくBacker(後援者)になる出資という形になる。
現在のαテストでは、既に利用可能なゲーム機能の一部分がいくつかのモジュールに分割されて提供されており、そのモジュールはプレイ可能。
Star CitizenのGame Packageに出資すると、これらのモジュールをすべてプレイでき、開発に必要なフィードバックを提供することができる。
またStar Citizenから派生した、シングルプレイヤーゲームのSquadron 42も同時に開発中である。

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Alpha 3.2のメインメニュー

現在、利用可能なモジュール

  • Persistent Universe (パーシスタントユニバース・永続宇宙):一般的にPUと称されるこのゲームモードは、他のプレイヤーと同じ世界でStanton (スタントン)星系の一部の領域を探索できる。ここで君と君の友人は様々なミッションをしたり、他の宇宙船を攻撃したり、小惑星帯で長く忘れ去られていた難破船を探索することなどができるだろう。PUはStar Citizenのいわばメインのモードであり、Star Citizenの全てを見ることができる。まだ未完成部分が多く、CIGは現在の状態をMini PUと呼んでいる。
  • Star Marine (スターマリーン):一般的なFPSと同じようなDomination、Free for AllなどのFPS戦闘ができるモジュール。Zero-Gでの戦闘ができるマップもある。
  • Hangar (ハンガー・格納庫):所有する船を見たり、装備をカスタマイズしたり、装飾品を設置して鑑賞できる個人用ハンガーのモジュール。
  • Area18:元は惑星ベースのテストとして計画されていたモジュールがArea18だ。マルチプレイ対応の市街地でショップでは服や武器を購入することができた。現在は利用不可能。Wallpaper Engineの壁紙にあるので、その雰囲気が分かるだろう。

  

4. Star Citizen、ままならぬ現実

Persistent Universe(PU)で可能になるとされているプレイは多い

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Prospectorでの採掘 (3.2で実装された)
  • 宇宙船での戦闘
  • FPS戦闘
  • 船のカスタマイズ
  • 武器やコンポーネントの改造
  • 様々なシチュエーションのミッション
  • 惑星や衛星上の街、宇宙ステーションなどでの交易
  • 惑星や衛星、小惑星帯での採掘
  • 難破船や戦闘で破壊された船のサルベージ
  • 損傷した船を修理船を使っての修理
  • 農業や研究
  • 未知なる星系やJump Point(星系間移動用のゲートのようなもの)の探査
  • 土地を所有し、アウトポストを建設し所有できる。

このようなことが可能になるとされている。

リストを眺めてみると、ずいぶん大風呂敷を広げたものだなという印象である。
実際に開発は難航しており、実装予定とされる七十を超える星系の内、現在実装されているのはたった一星系
しかも星系内にある四つ惑星のうちの一つとその衛星のみだ
その惑星はガスジャイアントなので、実際に行けるのは衛星だけにすぎない。
要するにロケーションの大半は未完成で、プレイヤーはまだ惑星にすら降り立っていないのである。

船はかなり数が実装されているが、ゲーム内マネーではまだ買えない
もちろん、将来的にはゲーム内で買えるようになる予定だが、現在はリアルマネーでのみ購入することができる。
これは開発費へのいわゆるお布施となっている。
今、プレイしても自由に船を買い、乗ることができないことは覚えておいたほうがいいだろう。

ゲームシステムも実装されているのは、それほど多くなく

 Persistent Universe
・宇宙船での戦闘
FPS戦闘 (対NPCは未実装)
・ミッション (宇宙船での戦闘、荷物の配達、私立探偵として廃墟となったステーションを調査など)
・交易
・採掘
・最低限のGroup(Party)システム

Arena Commander、Star Marine、Hangarの各モジュール。
これくらいで、未実装の要素が多い。

UIも洗練されておらず、ちょっとした操作ももたつくことがある。
MMOとしてもシステムが未熟で、仲間と一緒に遊ぶには苦労させられる。
Persistent Universeではネットコードとサーバとの物理的距離の問題でどんなに高性能なグラフィックカードを積んでもFPSが出ずにカクカクだ。
メモリも10GBくらいは平気で使っていることもある。
バグでクライアントが落ちることもあるし、その時に交易をしていたなら船もろとも貨物は宇宙の闇に消えるだろう。
バージョンアップでデータはワイプされるので、また最初からやり直しだ。

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Crashはよくあることだ

このように、まだまだ未完成だと言える。
実体は有料αテストであり、ゲームとして普通に遊べるとは言えない。
その上、発表したスケジュールの遅延は日常茶飯事、幾度となく延期し多くのBackerを失望させてきた。
最近では改善の兆しがあり、CIGは2018年から開発スケジュールを変え、四半期ごとに新バージョンを出すと発表した。
そして2018年7月現在、2018年2回目のバージョンアップが期限内にされた(予定月の最終週というぎりぎりではあるが)。
今後の進展には多少なりとも希望が持てるかもしれない。

さらには以前使用していたゲームエンジンの開発元Crytekから訴えられた問題もある。

www.pcgamer.com

Crytekの主張が認められると開発の続行が困難になる深刻なものだ。
これに関しては続報を待ち、書きたいと思う。

まさに問題山積という感じである。
このようなことを考慮すると、プレイするにはまだ時期尚早であると言わざるを得ない。
なぜこんなにお勧めしかねる理由ばかりを書いているかというと、未完成なこのゲームに出資しBackerになるなら覚悟をしてなるべきだと思うからだ。
何しろ上記のような状況なので、生半可な覚悟でbackerになると後悔し、アンチになるのが目に見えている。
それはとても不毛なことだろうと思う。
アンチとなってただひたすらネガティブになるなら、他のゲームなり趣味に時間やお金を使ったほうがいい。


5. 決めるのはあなただ

それなのに、なぜStar Citizenを紹介するのだろうかと思うかもしれない。
それはStar Citizenには魅力があるからだ。
ネガティブなことばかり書き連ねてきたが、それでも惹きつけられるものがある。
長く開発が続けられているが、グラフィックはアップデートされており今見ても十分に美しいと言える。
宇宙空間からシームレスに移動し、星の上に降り立てるのは素晴らしい体験だ。

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Arena Commaderの激しい戦闘で傷ついたFreelancer (ダメージ表現もある)

Chris Robertsが語る夢は魅力的なものだ。
仲間共に大型艦に乗り、戦争中の異星人Vunduulの艦隊と戦う。
他の船の援護の元、地上攻撃用の降下船からバイクを発進させ地上基地を襲撃する。
新たに発見したJump Pointは、どのような未知の場所へ繋がりどんな光景を見せてくれるのだろうか。
一人の商人として、交易船に乗り人類居住圏を股にかけ、異星人取引をし、大金を手に入れる。
そのような体験ができるようになるかもしれない。
しかし、このような夢の実現を体験しようとすると年単位で待たねばならないだろう。

以上長々と書き連ねてきたが、こんな未完成なゲームに付き合っていられるかと踵を返すもよし。
もっと完成度が上がり、普通に遊べるような状態になってからプレイするのはベターだろう。
数々のネガティブな面があるのを承知の上で、それでもなお参加しようとする覚悟があるならば


ようこそ、新たなるCitizen
United Earth Empireは君の志願を歓迎する

この入隊志願書に署名してくれたまえ
また別の記事で懇切丁寧に書き方を説明してあるぞ!

indeepspace.hatenablog.com